文章の書き方を学んだのでまとめてみる②

作家と編集者

 

出版社には編集という役割のひとがいます。

 

一般的に作家は、作品をつくる際、

編集者とアイデアを話し合いながら、内容の方向性を決めていきます。

 

もちろん、ひとりの力でよい作品を生み出す実力のある作家もいると思いますが、

誰かと話しあうことで、アイデアはどんどん膨らんでいきますし、

今まで気がつかなかった新しい発見をすることもあるでしょう。

 

そして、出来た作品に対して、曖昧な表現や分かりづらい言い回しを指摘し、

作品の質を高めます。

 

料理で例えると、作家が食材で編集者が調味料のようなもので、

やはり、食材の良しあしで味はほとんど決まってしまいますが、

そこに丁度いい塩加減がくわわることで、その食材は何倍もおいしくなります。

やはり、よい作品をつくるうえでは、編集者の存在が不可欠だと言えるでしょう。

 

では、よい編集がつかなければ、味のある作品をつくれないのかといえばそうではありません。

自分自身で作家と編集のふたつの役割をこなせばよいのです。

 

まず、文章を書きはじめる前に全体の構成を紙やパソコンに書きだします。

全体の流れや、論理構造など一度整理してから書きはじめたほうが、その後の作業がはかどるからです。

 

そして、構成ができあがったら、編集者の視点で内容を見直します。

読みやすさや、矛盾のない構成になっているかなど、

なるべく先ほどとは違った観点で自分の作った構成を見直してください。

 

早く文章を書きはじめたいとは思いますが、ここは一度我慢をして、

じっくりと自問自答を繰り返しながら納得がいくまで試行錯誤しながら、

文章校正を練っていきます。

 

そうやって文章の命ともいえる枠組みができあがりましたら、

はじめて文章を書きだします。

書きはじめたら、とにかく一心不乱に書きまくりましょう。

文章がおかしいとか、表現が不適切だとかそんなことはいったん置いて、

自然にでてくる言葉で文章を最後まで書き上げます。

 

繰り返しになりますが、勢いにノッて文章を一度つくってしまうことが重要です。

 

最後まで文章を書き終えたら、ここからが自分の中の編集者の仕事です。

勢いでつくった文章を見直して、必要にない部分はできる限りそぎ落としていきます。

構成が骨格で、文章が体だとしたら、この作業は体の余分な脂肪をそぎ落としていくイメージです。

 

また、同時に文章の繋がりを見直して必要があれば、

順番をいれかえたり、補足の説明をくわえていきます。

 

つまり、無駄を徹底的に排除して、足らない部分を補うのが、この作業の目的です。

 

このような書き方をするようになってから、

文章がなかなか書き進められないということはなくなりました。

書きながら、細かいことを気にしていては、いつまでたっても文章は完成しません。

それを後で訂正すると考えるだけで、スムーズに文章が書けるようになります。